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2011年5月29日 (日)

今からできること~3

到着したサテライトには、現場を取り仕切る頼もしいボランティアの青年が待っていました。活動拠点となる家(借していただいているそうです)の周りには作業用の一輪車、シャベル、移動手段の自転車などが整然と並んでいます。

指揮に従って、現地合流のボランティアとグループを組み、10名で引越しの手伝をいを担当することとなりました。

「このあたりは、松の木にかかったご遺体を目撃されたり、大変悲惨な体験をされた方が多い地区です。作業にあたっては被災された方の気持ちを何よりも大切にするように。」肝に銘じて担当場所へ分散します。

自転車で到着した住宅地には本来いるはずの“人”がいませんでした。こんなに立派な家が建っていたのに。

目に入るのは津波で壊された住宅と流れ着いた車、バイク、ガレキ、重機。

家の一階部分は窓もドアもなくなり、家が流された空地を抜けて砂を舞い上げながら強い海風が吹き付けてきます。

担当させていただいたお宅は津波の跡が2階の腰の位置まで二重に残っていました。家の中全てに今は乾いた海砂。長靴のまま入室させていただきます。

荷物が運び出された2階の窓から外を見ながら家の方がつぶやいた

「こんな景色じゃなかったのにね。なんでこうなっちゃったんだろね。」

怒るようでもなく、力なく発せられたその声が耳に残ります。

津波被災地区。壁も窓もドアもお風呂も壊され、海水に浸かり、砂だらけとなってしまった大切な我が家が残った地区です。

荷物の梱包をし、家具の泥を落とし、床の砂を出し、空いてしまった一階の窓を塞いで作業は終了となりました。

迎えのバスまで時間があったので、もう一か所、作業の手伝いをすることになりました。

今度は畑の掃除。重機が入れない場所でヘドロと乾いた草、倒木、ゴミなどが混じった物の撤去です。

ヘドロが混じった土はスコップがなかなか入らず、足も滑ります。特有の匂いもあります。

家も畑も、壊れたものを出して、ガレキを除いて、その後はどうなるんでしょう。それすらもできていない家や畑がまだまだ沢山残っています。

以前の景色が戻るのは一体いつのことなのか、人が戻れるのはいつなのか。数時間しか滞在しなかった私でも憂うこの景色を2か月以上見てきた被災地の方の気持ちを考えると、とてもいたたまれませんでした。

~4へ続きます。

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